読んだ本×2冊

  • 冲方丁『微睡みのセフィロト』(223p)
    • 〜P223。読了。
    • 面白いんだけどそれ以上の感想がない。なんつーか胸を打つものがないというか、人生を豊かにする何かを持っていないというか…。いやもちろん全ての小説は人生を豊かにできる何かを備えていなくてはならないとかそういうサプリメント的な主張をしたいわけではないのです。ただ、これくらいに面白いのにそれ以上の何かを備えていない、あるいはこれくらいに面白く読めるのにそれ以上の何かを読み取れない、というのが不思議だなあと思って。これは『マルドゥック・スクランブル』のときも同じように感じた。冲方丁と相性はよくないんだと思う。
    • 5点よりは7点の方に近い6点。
    • 次に読むのは清涼院流水『コズミック 』(710p)。
  • 大森望『狂乱西葛西日記20世紀remix』(496p)
    • 〜P310くらい。匿名座談会騒動くらいまで。某氏の「一部書評家はカルテルを組んで利益を独占している(大意)」という主張を読んで、歴史は繰り返すんだなあと脱力。主張の内容はともかく、抗議する人される人の関係の見立てがまんまおんなじ。
    • つーか書評家の脳内を覗けない以上、雑誌を製品として読む読者の視点からは評価の基準は闇の中なわけで、いくら媚びてるように見える書評を「媚びてる」と指弾しても「本当に好きだから誉めてるんですけど何か?」の一言で議論が即堂々巡りに陥るのは自明。それこそ具体的な金銭の授受の現場を押さえるくらいしか証明できないことだというのはちょっと考えればわかると思うんだが。「服を誉めている」は傍証としても弱すぎる。