読んだ本×1冊

  • コニー・ウィリス犬は勘定に入れません』下巻
    • 〜P493。読了。
    • 8,9点。これはかなり面白かった。英国ミステリーと時間SFとラブコメを5:3:2で混ぜた感じの小説。ラブコメパートは下巻の300ページくらいで急に来た感じがあるので、もうちょい早くからラブラブコメコメしてても良かった気もしますが、それが若干気になりますが、概ね最高のステージでございました。(ここにあるビールは飲んでもいいビールですか?)
    • いろいろあるけど、やっぱりテーマ(主役?)は「歴史」なんだろうなあ。どんなに酷いものでも自分たちの先祖たちが紡いできたたった一つの結果だから、燃え上がって消えると悲しいし、消えたものを湯水のように金と人間を使って取り戻そうとする奴も出てくる。そりゃありますよ?(以下略)だけど、歴史を守ろうとする人間の想いは尊い
    • それに加えてこの小説が秀逸なのは、少しの齟齬があっても大局的な結果が変わらないように修復作用を働かせる、自律的に自分の姿を保とうとするもの(orそう見えるもの)として歴史が描かれていること。歴史の流れが変わる≒人間・動物の生死に関わる出来事を防ごうとする、これってつまり、人間が歴史を齟齬から守ろうとしてるのと同時に、歴史の方も齟齬から人間を守ろうとしてるってことだよね。人間と歴史が相思相愛なところはこの小説の良さを生み出してる要素の一つだと思う。人間が世界を信用してるのと同時に世界も人間に優しいというか。