読んだ本×1冊

  • 円城塔『後藤さんのこと』(206p)
    • 〜P206。読了。読了と同時に円城塔入籍。おめ。
    • 文体やモチーフはSFだけど、作品の目標は文章や話の構造の模索なわけで、その点でSFという呼び名よりも前衛文学という呼び名で呼んだ方がうまくこの人の作品をカテゴライズ出来る気がする。文学的な目標が理系的なアプローチから追及されているというのがこの人の面白さの本質なんじゃろうなあ。
    • だから、数学や物理の専門用語が飛び交う独特の文体は必ずしもその形である必要はない。文体は円城塔の作品を円城塔の作品たらしめている重要な要素だけど、本質ではない。と思う。
    • 話の構造の追及という点でキレイに決まってるのは、最後に載ってた「墓標天球」。数学のルールを理解していく(ちょっと違う気もするけど)ときの快感と、物語からもたらされる感動の融和し具合はこの本の中で一番。円城塔の作品の中でも個人的には一番。しかしこの文体でボーイミーツガールがハマるのは何故なのか。
    • 8点。今までの本で一番読みやすいかも、と思ったけどそれは自分が円城塔に馴れてきているからだという可能性は否定できない。
    • 次に読むのは伊藤計劃虐殺器官』(414p)。