読んだ本×3冊

  • ピエール・ロチ『倦怠の華』(278p)
    • 〜P278。読了。
    • 半分自分の純粋な興味、半分レポートの題材で読了。
    • 「小説作品の語りの構造を分析せよ。題材は自由。」という課題なので、はからずもとてもレポート向けの小説だった。山ほど読むものがある人は別だけど、読むものがない困ったという人にはおすすめできる。7点つけてよし。
  • 筒井康隆時をかける少女』(260p)
    • 〜P170
    • 〜P129が「時をかける少女」、〜P130が「悪夢の真相」、〜P211が「果てしなき多元宇宙」という別のお話という構成。11年振りくらいの再読? 11年前(小学6年生くらい?その頃筒井康隆をバンバン読んでてそのつながりで読んだ。)のときは「何これ!話し方が古い!話し方が古いからつまんない!筒井なのにつまんない!」くらいの判断でつまんないと思ってたけど、今回はその辺は無視して割りと面白く読めた。ただその辺の位置付けはわかった上での今回の再読でも、「SF的にはガジェットだけの小説だなあ」「未来人淡白だなあ」という感想は胸に押し寄せた。
    • 自分の場合、小学5年生になった以降に読む場合は文体から薫る教育臭が鼻についてストレートには楽しく読めないと思う。かといって、小学3年生より前だときちんとお話の意を汲んで読めるかは微妙だし…。自分の人生においてこのお話をストレートに楽しめた期間はすごく短かったと感じる。「ロックンロールの肩に天使がとまったのは、1969年の夏のほんの2〜3週間. だけのことだったと思っています。」(by浜田省吾)的な感じに近い。
    • ストレートには楽しめなかったけど、細田版の原作、というか元ネタとしてはかなり楽しめた。ケン・ソゴルは未来に飛べる(帰れる)けど芳山和子は過去にしか飛べない(飛ばない)、でも細田版では真琴は(未来に)走って行くって言ってる、とかの新たな気付きがたくさん生まれた。筒井版では未来はユートピアだけど細田版では未来はディストピア、っていうのもわりと重要。細田版の考察の材料としては一級品の資料ですね(当たり前)。これ読むと、細田版はオリジナルな映画として一流であると同時に筒井版「時をかける少女」のオマージュとしてもかなり優れた作品だとわかる。ケン・ソゴルだけは時間を止めれるとかのプロットに関わる部分から、放課後に流れるピアノとかのディテールまでけっこう細かく参照が利いてることを今更ながら確認。
    • この作品を今のリアル世代でない若者に伝えたいけど、いかんせん表現や設定が古いので改訂して世に出そう、というのが細田版を作り始めるモチベーションだったんだなあと確認。そう思うのはよくわかる。
    • 単体で読んだら5,6点だけど、細田版の元ネタなので話は別です。7点。
  • デイヴィッド・ロッジ『小説の技巧』(333p)
    • 〜P47