読んだ本×1冊

  • SFマガジン 1月号
    • 〜P536。読了。
    • やっと読み終わったよ!読み応えありすぎ!
    • 50 周年記念号ということで、どの作品も非常に満足度が高い出来。トップ3をあげると、テッド・チャン「息吹」、パオロ・バチガルピ「第六ポンプ」、ダン・シモンズ「炎のミューズ」。特にバチガルピは読んだことなくてお手並み拝見って感じだったけど期待以上に楽しめた。「オールスター作家競作」を謳うだけはありますね。
    • 「第六ポンプ」は、化学物質に汚染されて低知能化が進んだ未来のアメリカが舞台。設定はジーン・ウルフの「アメリカの七夜」に似てる。
    • まずバカさの描写が面白い。ガス漏れの箇所をライターで探してたり(爆発します)、いい大人が職場でトイレットペーパーの投げ合いをして遊んでたりして「こりゃあバカだ」とすぐにわかって掴みはOK。大学自体は存在してるけど工学部は20年前になくなってたり、水道局の職員が字を読めなくなってたり、人類が種としてバカになっていってるという設定。
    • 人類が頭悪くなる事で、それまでは一部の人が解析できるものだったブラックボックスが誰も解析できないブラックボックスに変わり、ブラックボックスに頼っていた人間社会が崩壊していく、というお話。科学が『新しい太陽の書』の中でのように魔法になる前段階のお話といってよさそう。読んでない人は何言ってるか分からないと思うけど読めば言ってること分かるから読んで。
    • ある種の人類の黄昏な訳だけど、いくつかある人類の黄昏のパターンの中でもかなり嫌な部類に入る。社会の保守管理を賢い誰かに丸投げしてるとこういう嫌な滅び方をするということが上手く描けているので、一瞬だけど勉強しなきゃなあという気になった。
    • 短編集出して。
    • 来月の国内編にも期待。