読んだ本×1冊

  • コニー・ウィリス『最後のウィネベーゴ』(380p)
    • 〜P380。読了。
    • 1話目「女王様でも」→面白い。
    • 2話目「タイムアウト」→さらに面白い。
    • 3話目「スパイス・ポグロム」→めちゃくちゃ面白い。
    • 4話目「最後のウィネベーゴ」→ネ申
    • 1話目から最後までかなり高いレベルで、そのレベルゆえに次の話への期待のハードルもいやおうなしにあがるのにそれをいとも簡単に越えてくれて素晴らしい。4話しかないけど、並べ順の妙で短編集全体としてのレベルをあげることに成功している。
    • 特に最終話の出来が…。いやネ申とかおちゃらけて書いてますけど、本当に面白いです。ペットを失うこと、ひいては大切な人を失うことの悲しさを描いているが、失った側・奪った側だけでなく、そのどちらにも属している人を描くことで単に感傷的な話以上のものになっている。犬好きは必読です。あとここでは話の中心ではないけど、「失われる文化」ね。これは『犬は勘定に入れません』で話の中心として書かれていた。
    • 皆さんがどうだかは分からないんですが、自分はとにかく、ハッピーエンド=話が世界や人間を肯定してないと嫌な人間みたいです。いかに表現として優れていても、それが世界や人間を否定していたらそれは何の意味があるのか?と思ってしまう。単純な人間です。そういう点では自分は小説を「根本的に」好きだとはいえない。
    • この人の作品の中にある「人間というものへの絶対的な信頼・愛」は僕が小説に求めているものの最たるなので、読んでいて面白くないはずがないと思う。こういう風に「読む前から面白い」と思ってしまうのも残念な話だが…。しかしながら、「読む前から面白い」ものでも読まなきゃ面白さが発現しないので、読みます。ともあれ9点。
    • バッドエンドで面白い何かを読みたいと思うが、「人に薦めてもらう=バッドエンドだと分かった上で読む」なので難しい。
    • 次に読んだのは野尻抱介『太陽の簒奪者』(324p)。