2008-08-11 読んだ漫画 漫画 感想 萩尾望都『トーマの心臓』 おおこれがしりあがり寿の最高傑作『夜明ケ』の中でも屈指の出来とされる「ユーロジュドーはラブラブ」の元ネタとされるマンガか……しかし現実のユーロジュドー(ヨーロッパ柔道のこと)はラブラブどころの騒ぎじゃないですね。相撲ですねあれは。 BLの源流の一つには違いないが、奥ゆかしい。単に読者の興味を引くためだけにホモを描いているのではない。少年愛という興味深いテーマを真剣に誠実に描いていて好感が持てる*1。ただし、トーマが死んだ理由付けは最後まで薄く、純粋を通り越してエキセントリックだと思えてしまう。 *1:開始4ページ目で「この少年の時としての愛が性もなく正体もわからないなにか透明なものへ向かって投げだされるものだということも知っている」と、宣言されている。