読んだ本,一冊読了
- 長嶋有『ぼくは落ち着きがない』
- P99〜P213。読了。帰りの電車の中と駅のホームで一気に読んだ。「すぐ読める」と自分で言ったもののこれは速いな!
- よく似た作品1. 筒井康隆『時をかける少女』
- ドキ! 謎の転校生は未来人!? 、というところが似ている。
- ぱらぱら読み返すと端々にそういったフラグが立てられてた。未来人ネタはもっと活かしたかったんだと思うけど、結局活かされてたのがカバー裏だけだった。筒井オマージュはもっと腰を据えてやらないと、ということでしょうか? しかしこの設定ブン投げっぷりは、小説というジャンルにおいてはけっこう珍しい気がする。
- よく似た作品2. 木尾士目『げんしけん』
- オタクコミュニティ+異性がらみの生々しさ 、というところが似ている。
- 最後の20ページで急激に生々しくなった。そしてカバー裏はもっと生々しかった。こういう生々しさには本当に耐性がないのできつい。
- 特に、そのことで部内が盛り上がってる際の、当事者である部長のかわし方がすごい。こんな芸当が出来る高校生がいるのに、僕が恋愛ゲームで勝てる見込みなどあるはずがない。(この小説はフィクションです)
- 22年生きて来て最近やっと、勉強ができることよりも、こういう生々しさに触れれたり、清濁併せ呑めたりできる能力の方が、人生を送るにあたっては大切だということがわかってきた。だがもはや手遅れ。勉強は出来たけどそういう大事なことにはなかなか気づけない人間なので、損をしていると思う。
- キャラとコミュニティの魅力でもってる小説だとは思うけど、転校生に関してもそうだし、練り込みが足りていないと思う。その点はかなり残念。
- 衿沢世衣子の絵の力は大きい。装画を依頼した人はかなりセンスある。
- いろいろ言ったけど面白いです。
- 次に読むのはジーン・ウルフ『新しい太陽の書1. 拷問者の影』にした。本文はP11〜P468。訳者解説がP469〜p478。