1冊読了

  • グレッグ・イーガン『宇宙消失』
    • P268〜P409。読了。
    • おそらくこの小説のもっとも面白いところは前半から後半へのアクロバティックな展開の仕方だと思うので、前半と後半を間をおいて読んでしまった僕はちょっと損をしている。読む人はなるべく一気に読んでアクロバティックな展開を楽しんでほしい。
    • 主人公は、忠誠モッドという、組織に忠誠を尽くさせるソフト(みたいなもの)を頭に組み込まれて組織に洗脳されるんですが、
      • 「俺は〈アンサンブル〉(作中の組織名)に忠誠を尽くす」→「俺が忠誠を尽くすものが〈アンサンブル〉だ」
    • と主人公(たち)が解釈して、結果的に組織に反逆してるという展開はウソーンと思いました。はじめに忠誠モッドを作った人が〈アンサンブル〉をちゃんと定義してないのがよくないんですが。
    • これに限らず、この小説には「都合がいい」とか「それをやり始めたらなんでもありだろ」とかと言われても仕方がない展開が多々出てくるんですが、イーガンの場合はそれを論理で武装しまくって表面的にはおかしさが見えないようにうまく偽装してくれるので、話に没入している限りでは「おお、すごい展開をするなあ」と感心しながら読めます。
    • 欲を言えば、もっと〈子ら〉が結末に絡んできて欲しかった。それと、もっと〈アンサンブル〉が暴走して目茶苦茶になるという結末でも面白いと思った。
  • 次に読むのは長嶋有『ぼくは落ち着きがない』光文社にした。本文はP5〜P213。