読んだ本×1冊

  • 岡田暁生『音楽の聴き方』(237p)
    • 〜P237。読了。
    • 作者の主張としては、「とにかく感想を言語化しろ。その際には身体感覚に訴える言葉を用いろ。」という感じでしょうかまとめすぎでしょうか。主張それ自体としてはもっともなんだけど、全体的にレビューをするための方向性を漠然と示しているだけで、向上するための具体的な指針はあまり立てられていないかな*1という印象。音楽というものの受け入れられる環境の変化、意味とサウンドの分離なんかは面白いけど、それを知ってレビューはうまくならんしなあ…。自分の関心が「音楽の感想をいかに書くか」だったので物足りなかった。
    • あと、この点は初めに断りが入ってはいるが、特にクラシックに付いて書かれた本なので、提唱されている「身体感覚に沿った記述」が自分の聴くポップスに使えるものかは微妙。歌詞についても記述はなかったと思う。でもこの辺は初めに断りが入っているから仕方ない。
    • 最後の方に音楽をやり込むための指針みたいなものが箇条書きに載せられていた。たとえば、
      • 1.他人の意見を気にしすぎない。
      • 2.「明らかにお粗末な音楽」も価値観を形成するために重要。
      • 3.音楽には「本来の」文脈と加わる文脈がある。自分の聴く文脈に敏感になること。
      • 4.そのジャンルに通じた友人を持つこと。
    • …など。あれは趣味やり込みメーターとして機能すると思った。
    • あの記述の「音楽」を「漫画」に置き換えた場合、かなりの項目でやり込むための指針をクリアできていた。一方で、音楽においては特に「自分の聴く文脈*2」「先達・友人」関係の項目、上に上げたもので言うと3,4番で弱さが見えた。
    • これからはその辺を気にしながら音楽を聴いていきたい。
    • 次に読んだのはマイク・レズニック『キリンヤガ』(479p)

*1:強いて言えば、「レビューをたくさん書いて練習しろ」「先達に学べ」とか?

*2:漫画で言えば「ネタ/ガチ」的なもの