10段階評価について
僕は漫画や小説や、まれに音楽や映画に対して10段階の評価を付けますが、それについて少し書きます。
まず、なぜ10点満点なのかについて。これは主に(ファミ通のクロスレビューにインスパイアを受けた)TMRのレビューで10点満点のレビューをしてきたことに由来してますが、それとは別に、10点という幅が使いやすいというのも理由の一つです。
5点満点のレビューは点数で表現できる幅が狭い。だいたいの作品が2〜4の間に分布して、点数の意味が薄れます。また、最低点・最高点が割に頻繁に現れることで、最低点・最高点の価値が薄れることが予想される。
じゃあ幅が広ければいいかと言えばそうとも限らない。100点満点でレビューをするとして、自分に1点単位の精度でで作品の面白さを見極めれるとは思えない。また、作品の評価はその時点での心境や読んだことのある本・聴いたことのある音楽などに左右されるもので、1点単位の点の変動は容易に起こりうる。あとから見て「この作品があの作品より点が低いなんて!」という事態が絶対に起こる。
10点満点は、評価対象の面白さorつまらなさを十分に表現でき、かつ心境の変化などで作品の評価が変わっても点数への影響が出にくい。そのあたりを買って10点満点のレビューをしてます。
10点満点でレビューをするにあたって、「世にある作品の点数の平均は5.5点である」ということを念頭に置いています。また、3点には「駄作の壁」、8点には「名作の壁」が存在していると仮定し、自信を持って誉めれるor貶せる作品しか壁を越えた点数をつけないようにしています。
10点満点の点数はだいたい以下のような表現での評価に対応しています。
- 10点…人生に影響を及ぼすレベルの大名作。グレッグ・イーガン『ディアスポラ』など
- 9点…大名作。『転々』(映画)、庄司創「三文未来の家庭訪問」など
- 8点…名作。島本和彦『アオイホノオ』1,2巻、うすた京介『すごいよ!マサルさん ウ元ハ王版』1〜3巻など
- 7点…面白い。エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』、村上春樹『国境の南、太陽の西』など
- 6点…普通よりは面白い。山本おさむ『そばもん』1巻、平野耕太『以下略』など
- 5点…普通よりはつまらない。KOJINO『ぷりぞな6』1巻、阿部秀司『堂本ルール』1巻など
- 4点…つまらない。カサハラテツロー『スコペロ』1巻、『かもめ食堂』(映画)など
- 3点…駄作。松本清張『小説日本芸譚』、澤井啓夫『チャゲチャ』など
- 2点…大駄作。かどのゆたか『地獄の馬券師』、しもさか保『阿羅漢』4巻など
- 1点…全力を込めて貶したくなる大駄作。磯部金吉『騒乱爆笑族』1巻など
ちなみに、このブログで点を付けてる作品の平均値をとるとおそらく5.5点を越えると思いますが、それは僕が面白そうな物を選んで読んでいるからです。
点数を付ける際は、基本的に客観的な判断の方が重視されます*1。だから低い点が付いてても個人的に好きという作品は存在し得ます。例えば、かどのゆたか『地獄の馬券師』は好きなトーエンコミックスランキングで確実に5位以内です。
*1:そうは言ってもなんだかんだで主観は排除できてないが