読んだ本×2冊
- 舞城王太郎『スクールアタック・シンドローム』
- 読了。
- 「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」がすごいな。終盤10pを読むときの「え?どうなっちゃうの?」感は久しぶりに味わう感覚だった。そしてエグみの強い読後感。
- 杣里亜の身にふりかかる無間暴力地獄は、現実のソマリアという国のあり方と重なる。舞城自身、ソマリアという国に何か思うところあったんだろうか。なんでまた。
- 仮に村上春樹の小説に杣里亜という少女が出てきたら当たり前にそりゃソマリアのアレゴリーだろって話になる。けど、大爆笑カレーやら猫猫にゃんにゃんにゃんやら本郷タケシタケシやら、舞城作品だと変な名前の記号性が完全崩壊してるので(そもそも「舞城王太郎」って名前がすごい)、舞城作品において特殊な名前に寓意を持たせるというのは珍しいケースなのでは。
- 「我が家のトトロ」はいい台詞がたくさんあった。小2の娘が死を意識したときの、「今のことを考えろ。でも今がよければそれでいいんじゃなくて明日のこと、明後日のこと、一ヶ月後のことも考えろ。そうすれば寿命のことなんて忘れられるだろ?(大意)」とか、「いい小説っていうのは読み始めたらやめられない小説のことだ(大意)」とか。いま手元になくて正確な引用できないんで、気になった人は実際に読んでください。
- 7,8点。舞城の小説が面白いことにはもはや驚きはない。舞城で読んでないのはあと「みんな元気。」「暗闇の中で子供」「世界は密室でできている」「九十九十九」「ビッチマグネット」の5冊。8月くらいまでには読み終わりたい。
- 上田早夕里『華竜の宮』
- 〜P115