円城塔×中上紀トークイベント

題目は「創作を志す東大生に向けたメッセージ」という感じだったんですが、参加者およそ30人のうちマジで創作を志してたのは4人くらいでしたとさ。かくいう自分も創作は志してないです。
ほとんどは円城塔を見たい/円城塔の話が聞きたい人だった気がするなあ…。自分もそうだったのでどうしても円城塔の話ばっかりが記憶に残っているんだけど、印象的だったのは円城塔の淡々とした創作態度でしたね。とても合理的で、あの小説を書く人としてとても似つかわしい態度だと思いました。
円城先生は名言多かったですねー。印象的なところだと、

  • 「ネットは止めた方がいい」
    • 創作時間の話の中で。これはマジでその通り。「毎日2時間書け」とも。
  • 「『伝えたいことがあるんです!』っていって書く人も、そんなには伝えたいことはない」
    • 30年間ずっと小説を書きつづける程のモチベーションにはならないという意味。
  • 「(何を書いたのか) 自分でもわからなくなることがある」
    • 一同ショック
  • 「就職はしたほうがいい」
    • 「小説家になるなら働いてるヒマなんてないゾ!」と若者を煽るよりはこっちの方がいいのか。しかしストレートだ。
    • 全体として、小説家として生活するという現実的な面を強調して話していた気はします。その反動か、聴衆からの質問は「小説家になっていいことは?」「書けないときはどうするか?」など創作自体に関係することが多かった気がします。
  • 「プロットは図で書くが、編集者に見せると悲しそうな顔をされる」
    • その場にアイデアノートを持ってきていたけど、みんな身を乗り出して覗き込んでいました。

冒頭で「ほら吹き」と自称していたこともあってどこまで本気で話しているかかわからないところがありましたが、「電子化書籍の普及によって過去の作品にアクセス可能になったとき、新作を書くことの意味はどうなるのか(大意)」という発言からは本気を感じました。